ロスジェネの課題について(一般質問)
2019年3月17日
カテゴリ:区議会活動報告

2月20日の本会議でロストジェネレーション問題について一般質問を行いました。

今回はその内容について少し報告致します。

その時の模様はこちらから。

http://www.kensakusystem.jp/chiyoda-vod/video/H31/H310220-9.html

 いわゆるロスジェネとは就職氷河期と言われる2000年頃に就職活動を行った世代のことで、今40代前後となっています。当時大卒の就職率は50%前後で、就職活動をしてもなかなか内定をもらえない時代でした。私自身も該当するのですが、この世代の多くの人たちが、これまでしかるべきキャリアを積み上げてくることができないまま40代になっています。それは個人の自己責任で片づけられる問題ではなく、社会構造上の問題だったことは間違いありません。

 このロスジェネ世代が高齢者となる25年後、日本はどのような社会になっているのか。2045年には人口の3割が高齢者となり、社会保障給付費も190兆円に達するといわれていますが、その対策を講じるのは今しかありません。そのためにまず、問題の根っことなっているロスジェネ問題について、広く知ってもらい、課題として共有し、議論を行う土壌を作りたかったというのが、今回私がこの問題を区議会の一般質問で取り上げた真意です。

 一つの自治体でどうこうできる問題ではありません。世代だけの問題でもありません。社会全体で解決していかなければならないと考えています。

一方で、千代田区でも行政改革の影響で2000年前後の新規採用を絞った結果、職員の年齢構成はいびつになっています。

 これは千代田区の現状の年齢構成です。まさにロスジェネ世代がぽっかりといない構成です。収益に左右されない行政でも、民間企業と同じ問題に直面しています。働き盛りの中間層が薄く、将来的に区政の中枢を担う幹部候補が不在で、早急な対策が必要なのは誰が見ても明らかです。できればロスジェネ世代を取り巻く様々な課題解決に絡めて対策を打てることがベストと考えています。

 今回の一般質問での質問と回答の要旨は次の通りです。

質問 ロスジェネ世代を取り巻く課題が顕在化しつつあるが、区はどのような認識をもっているか?

答弁 賃金に格差が生じていること、金銭的な理由から結婚できない方が増えていることは、その通りだと思っている。将来的には孤独で貧困な高齢者が増加する要因となり、単に労働問題にとどまらない看過できない深刻な社会問題となると認識している。国や東京都に対してこの世代の就労支援を今まで以上に行うように働きかけるなどしていきたい。

 これは区長に答弁を頂きましたが、一定の理解をいただき、課題は共有していただけたのかなと感じました。

質問 40歳前後の職員が不足しているが、解決に向けた具体的方策は?

答弁 バブル崩壊後の採用数を絞ったのは千代田区だけではなく、特別区全体の課題となっている。民間企業からの経験者採用制度も45歳から59歳までに拡大するなど幅を広げていく。また、若手職員の早期育成、能力向上を図り行政サービスが安定的、継続的に提供できるように努めていく。

 自治体の行政サービスの質を維持していくために、活用しやすい人材、確保しやすい人材を積極的に登用していくということは、千代田区というイチ自治体を見た場合それは仕方ないかな・・・という感じもしますが、もう少し、ロスジェネ問題全体を俯瞰した対応策を検討してもらいたいというのが、答弁を聞いたときの感想です。やはりなかなか課題の共有から理解へとつながっていないんだなぁと感じています。

 今回は「ロスジェネ」というなかなか区政になじまない一般質問をするにあたり、同僚議員からもいろいろな反応がありました。まったく興味をもっていない方もかなりいるというのが現状です。一方で同世代よりも年配の議員の方々から理解というか応援をしてもらうケースもありました。自分たちの子どもがロスジェネ世代だからという理由です。区長もそうだったらしいのですが・・・どんな理由でも、理解や興味を持ってもらう人数をふやし、他の世代も巻き込んで議論ができるようにしていくべきだろうという一つの方向性を見つけることができたと感じました。

 いずれにしてもこの課題はしっかりと時間をかけて取り組んでいかなければならない課題です。4月の改選後もこの問題の解決に向けて取り組んでいきたいと思っています。

千代田区議会議員 自由民主党

大坂たかひろ