千代田区の保育園整備施策
2019年3月20日
カテゴリ:区議会活動報告

 昨日千代田区立富士見こども園の修了式に出席いたしました。今年は私の子どもも卒園で、保護者としての立場でもありました。私の場合、今年4年生になる上の娘が0歳児の時から富士見こども園にお世話になっているので、通算9年間、ずっとお世話になってきたわけです。この3月末で毎日夫婦で分担してやっていたこども園への送り迎えがなくなるのはちょっと寂しい気持ちもありますが、4月からこどもたちは2人とも小学生。我が家の子育ても次のステップに進んでいきます。

 さて、千代田区の保育園事情はどうなっているのかですが、ここ数年4月時点での待機児童はゼロを達成してきています。しかしながらその内情を見てみると、希望する地域の保育園に入ることができないケースは非常に多く、300人近いいわゆる隠れ待機児童がいるのが現状です。特に0歳児、1歳児で認可保育園に入園するのは本当に狭き門です。千代田区は待機児童がゼロだからと言って、子を持つ世帯が他区から転入してきても、自宅から近くの保育園にすんなり入れる可能性は相当低くなってきています。こうした状況を解消するため、ここ数年、区では民間の保育園誘致に相当な力を入れてきており、この10年間で保育園の定員数は約3倍に増えています。来年度も予算総額の約3割が子育て支援の予算となっており、250名程度の定員増を図る計画になっています。一方で、土地のない千代田区ですから、園庭のない保育園もどんどん増えてしまっています。今回民間の土地を借り受けて九段下にこどもひろばができますが、こうした遊び場や公園を保育園の代替園庭として活用しています。しかし園からの移動に時間がかかるため、充分な外遊び時間を確保できていないケースも多いのではないでしょうか。時代の流れだから仕方がないと、簡単に片づけるわけにはいかない問題です。

 区内のこどもの増加に追い付くように保育園を増やしていくこと自体は必要な対応だと思いますが、これからは数だけでなく質についても充分に精査をしながら進めていくべきと考えています。いま、千代田区のこどもは増えています。しかし全国的に見れば少子化が進み、こどもの数も減り始めています。千代田区でもこどもの数が減り始めるのはそう遠くはないでしょう。10年・20年としっかり先を見据えた計画を立てるとともに、千代田区らしい高い水準での保育の質が平準化できるように子育て支援施策を一層加速させていかなければならないと考えています。