民泊について
2018年4月25日
カテゴリ:区議会活動報告

平成30年の予算議会となる第1回千代田区議会定例会は3月上旬に無事終了しました。

予算の審議は分科会2日間、総括2日間と今まで同様多くの時間が割かれましたが、審議は24時を超えることなく、いわゆる想定の範囲内の時間で深い議論がなされ、当初予算案通りに可決し、新年度に入ることができました。ちなみに千代田区の一般会計予算は619億余で前年対比13.5%の増、過去最大規模になっています。

予算の内容について、細かい部分ではいろいろといいたい事もありますが、地方自治の枠組みでは、予算の編成権は区長にあり、議会には大きくわけて「賛成」「反対」「減額修正」の3択しかないのが現状です。当然多数決ですので、議員それぞれの想いが簡単に反映できるものではありません。ということを踏まえ、今回の予算案については、おおむね議会としては問題がないのではないかという結論に達したということになります。もっとああしたほうがいい、こうしたほうがよくなる・・・という所については、今後の議会の中の一般質問や委員会での質疑で少しでも実現していけるように、取り組んでいきたいと思っています。

さて、第1回定例議会では、予算の他に、もうひとつ注目すべき条例案が可決しています。

いわゆる民泊に関する条例です。

2020年オリンピック開催に向けたインバウンドの受け入れや増加する空き家対策などのために6月15日から法律で解禁される民泊ですが、それぞれの自治体でどのように許可や規制をおこない、管理していくかは自治体の条例により定めることができるようになっています。そのため、千代田区でも条例の制定に向け、昨年の6月に協議会を設置し、議会の委員会でも毎月のようにどうあるべきか議論をし、積み上げてきました。

その具体的な内容はこちらです。

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/jutakushukuhakujigyo/jorei.html

千代田区は住居専用地域がない、という他区にない特徴があり、どのように管理をするべきかというのは本当に難しい課題でした。憲法22条で保障されている職業選択の自由に反しない範囲で、安心・安全な居住環境を確保していかなければなりません。一律に全域で営業を禁止してしまうことは憲法違反になってしまいます。

こうした状況のなかで委員会で様々な意見を出し、この条例に反映させることができました。約1年にわたり議論を積み重ねてきた成果だと思っています。学校の近隣等で規制を厳しくしたり、問題が発生した時すぐに管理者が駆けつけられることを条件としている点などは、千代田区の条例の大きな特徴となっています。

まもなく民泊は解禁になりますが、この条例の趣旨にのっとった形でしっかりと管理していけるように議会でも注視していきたいと思っています。

ちなみに、現在、区内で行われている民泊はすべて違法民泊です。今後この違法民泊の取り締まりを徹底していくことが非常に大事なのですが、マンション内までなかなか調査に入れないのが現状です。民泊の解禁に伴い、こうした違法な民泊に対する立ち入り調査を可能にするなど、区への権限も強化されます。アヤシイ民泊を見つけたら、是非区役所へご一報ください。

4月から新たに民泊指導課を設置しています。皆様から寄せられる情報が安全・安心の住環境維持に必要です。よろしくお願いします。